- 妹尾:
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ちょっと待ってください。井上先生の話の中に、先ほどから「取り戻したい健康状態」って言葉が出てきているんですけど、病気の治療方法というのはひとつじゃないんですか?
- 井上:
それは誤解です。どんな健康状態を手に入れたいのかで、治療方法は変ってくるものなんですね。
例えば、アスリートが怪我をした時に、また現役に復帰できるレベルの健康を取り戻したい場合と、普通の生活に支障がないレベルの健康を取り戻したい場合では、自然と治療方法は変ってきます。もしかして、現役に戻るレベルなら手術が必要だけど、普通の生活に支障がないレベルなら手術は必要ないかもしれないのです。
だから、患者様がどんな健康状態を取り戻したいのかを、きちんと医師に伝えることは、自分にとってベストな治療を受けるために非常に重要なことなんですね。- 妹尾:
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言われて見れば確かにそうですね。どんな健康状態を取り戻したいのかによって、治療の方法は変ってくる。逆に言うと、そこをきちんと伝えておかないと、ごく一般的な治療を受けることになってしまうってことですね。
- 井上:
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患者様は一人ひとり、異なるライフスタイルを持っています。そして、ライフスタイルが違えば必要な健康のレベルも異なるのです。
もし、普通の生活に支障がないレベルの健康でいいのなら、わざわざ高いお金を払って、体にメスを入れる必要はないじゃないですか(笑)
医療というものは、自分の必要性にあわせて、オートクチュールなものであるべきなのです。
- 妹尾:
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では、患者様がオートクチュールな治療を受けるために、患者様の望む健康状態を医師として聞きだすカウンセリングをするのが、メディカル・パーソナルアドバイザーなんですね。
- 井上:
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それはちょっと違います(笑)
もし、妹尾さんが言われることをしたとしても、それはいのうえ歯科医院の中だけのことになってしまいます。私が目指しているのは、全ての医療を受ける人が、自分に合った最適の治療を受けることができるようになることです。そのためには、患者様自身が、きちんと医師とコミュニケーションを取り、自分の現在の状態や、理想とする健康状態を伝える必要がありますよね。
そうできるように患者様にアドバイスをするのが、メディカル・パーソナルアドバイザーの仕事なのです。