- 妹尾:
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よく分かりました。でも何故、そんなことをしようと思われたのですか?
やはり医師として、多くの患者さんに接するうちに、そういうことの必要性を感じたのが理由なのでしょうか。 - 井上:
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一番の理由は、それは私の家族が、大きな交通事故をしたときの経験ですね。
もう十数年前になるのですが、家族で車に乗っている時に、対向車が運転席に突っ込んだ大きな交通事故を起こしました。
助手席に乗っていた私は軽症だったのですが、運転席にいた妻は重症で、その後、健康を取り戻すために十回以上手術をしたのです。手術をするたびに、この手術が本当にするべきなのだろうか?ということを本当に悩みました。
というのは、医師は一般的な治療法方しか提案してくださらないからです。
でも考えてみれば当たり前ですよね。こちらがどんな健康状態を取り戻したいのかを伝えて無いのですから、医師にすれば最も一般的な治療法しか提案できなかったのです。色々と夫婦で、これからどんな人生を歩んで行きたいのかを相談し、そのためにはどんな健康状態が必要なのかを話し合っている中で、患者という立場から医師に提案することの重要性を知ったのです。
どんな健康状態を取り戻したいのかは、患者自身にしか分からないですからね。 - 妹尾:
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ではメディカル・パーソナルアドバイザーの必要性を感じたのは、医師としての井上裕之ではなく、患者としての井上裕之だったわけですね。
- 井上:
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その通りです。自分自身が患者様の立場に立った時に、初めて患者様と医師のあるべき姿というものが見えてきたのです。 そして、どんな関係を築けば自分の大切な健康を医師にサポートしてもらうことができるのかということが分かったのです。
その時に、メディカル・パーソナルアドバイザーの必要性をすごく感じましたね。 - 妹尾:
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医師としての経験ではなく、患者としての経験から生まれたものであるって部分が面白いですね。私自身は、患者の立場しか経験したことがないのですが、井上先生のおっしゃられていることがよく分かります。